養蜂やってて、どうしても避けて通れないのが「スズメバチ対策」
以前の記事でもかきましたが、「ミツバチ」というメルヘンな響きの対局にあるのが、毎年頭を悩ませるスズメバチ対策ですね。

特にオオスズメバチ。

他のスズメバチ類はまあ多少やられはしますが、知れてます。
オオスズメバチは一瞬で群を全滅させます。しかも私の様に野原でやってますと、私の蜂を目当てにしてか、毎年どんどんオオスズメバチが増えます。散々たたかいましたが、所詮は無理。パリパリ音を立てながら、大事なミツバチを何千匹もかみ殺すこいつらは、同じ蜂とはいっても憎んでも憎みきれません!!

そこで結論としては。

やっぱりネット(網)を使うしかありません。
なかでも、農業や園芸、動物対策などに使用されているポリエチレン製の柔らかいネットが使いやすかったです。数年にわたり色々試しましたが、個人的な結果を発表します。

◆網目について
ネットは下の③をのぞき、すべてダイオ化成の農業用のネットでテストしています。あらゆる網があるなかで、農業用のネットは丈夫で安いというのがその理由です。網目の画像などはこのページで確認できます。


①12mm目(ダイオネット1212)
コガタやキイロスズメバチだと、まれに中に入るかもしれませんが中に捕殺器をつけておけばスズメバチが出口を探してさまよううちに入り込みますので、大事に至らずに済むと思います。
完璧ではありませんが、通気もよく蜂の出入りも楽。処女王の交尾飛行などでも影響は少なそうです。
強群へ対策するなら、蜂通りのよい12mmでよいかもしれません。

②9mm(ダイオネット190)
糸が太く頑丈で、12mm目を噛み切ってしまうオオスズメバチもこちらなら完璧です。
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私が試した範囲では、このネットをかけておけばスズメバチには絶対安心と断言できます。
弱群の鉄壁の守りとしてももちろん、強群に使ってももちろん問題ありませんでした。

働蜂が網目を通る時に、まれに花粉を落とす事がありますが、実際に問題があるレベルではありません。また、秋の割出群では処女王の交尾飛行を考えると12mmがイイかもしれませんが、私の場合では9mmでもしっかり交尾を終えて帰還、産卵が始まりました。状況により使い分けるといいかもしれません。

③トリカルネット
別のメーカーですが、プラスチックでできた硬い成形品のネットであるタキロンの「トリカルネットH04」も、効果としては12mm目と同じかんじです。
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完璧ではないですが網が固く、コシがあります。私の場合は巣箱に何か所かネジを打ち込んでおいて、網目にひかっけるようにして設置すると簡単で使いやすかったです。上記同様巣門と側面が近いのである程度の被害は覚悟しなければなりませんが、女王を含めた全滅を免れる事は出来るかと思います。

④その他
上記のネットは、ほとんど農業資材ルートでしか流通していないので、ホームセンターで取り寄せてもらうかメーカー(ダイオ化成)へ直接注文します。トリカルネットはホームセンター以外にインターネットでロールを販売しているようです。

なお同じダイオ製のネットでも16mm目は動物よけとしてどこのホームセンターでも販売しているので安く、買いやすいです。スズメバチ対策としてもそれなりに機能しますが網目が大きい分だけリスクがあります。

逆に9mm以下の網目は、働蜂が通れないので使用できません。4mm目というのが安く、どこでも売っているのですが・・・蜂が出入りできません。残念。


◆ネットのかけ方
プロの方は、パイプハウスを建てて大きなネットで全体を覆ってしまうケースが多いのではないでしょうか。数群程度の素人養蜂や、下が土ではない場所ではこの方法は難しい場合もあります。
なお、ネットの大きさはメーカーに頼むと好きな大きさに切って送ってもらえます。

①入口付近のみネットで覆う。
1m×2m程度のネットを用意して巣門付近のみを覆うやり方。
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カンタンで安価ですが、側面に隙間がでないようにするためには、ネットが巣箱にぴったりつく形になります。ここににオオスズメが来ると、巣門との距離が近いのでミツバチにスイッチが入り、一斉に迎撃に出てしまうので数千匹がやられることがあります

隙間だらけで大雑把にかけておいても一定の効果はありますが、側面にできる隙間からスズメバチが入りますので、この場合は捕殺器をつけておかないとやっぱり働蜂とスズメバチが戦ってしまいます。この時スズメバチが1-2匹程度ならミツバチが勝ちますが、集中攻撃を受けると全滅の可能性が残ります。
また、経験上内検する時にネットを取ったりつけたりするのが意外と面倒です。


②全体を覆う

2x2m、または2x3mのネットを用意して上からバサッと掛けるだけ。
可能であれば4隅に重りでも載せておけばベスト。
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y唯一のポイントは、裾が末広がりになる様にする事。こうすればオオスズメバチがいくらたかっても、ミツバチには決してスイッチが入りません。

この方法は、全くもって完璧です。内検でのネットの取り外しも楽。
個人的には絶対にこれをお勧めします・・・後ろのネットがもったいない気もしますが(笑)

とにかくスズメバチがどんだけ群れで襲ってこようが、ミツバチたちは安心して、のんびりマイペースに暮らすことが出来ます。
正直、もうこれ以上の対策はないと言ってしまってよいと思います。本当に。

なお、よくあるゴミ置き場用のカラスネットの様に、周囲に重り入りロープを入れたものも作りました(1枚でも制作してもらえます)。風でめくれたりしないのでとてもつかいやすかったのですが・・・ネットだけの方が安い(3千円前後?)ので今年はネットだけにしました。


◆アミさえかけておけば安心・・・!

今年まであれこれやった結果は、スズメバチ対策としてはもう9mmと12mmで結論が出た感じです。
私の様に10群前後でおやりになっている方はもうこれ以上の方法はないのではないでしょうか。
群数が少ないだけに、大切な蜂を守りたい、と思うのは自然な事。
もちろん、話を聞くとプロの方が大きなサイズでこのネットを使ってらっしゃる方もいらっしゃいます。

まあどこまで蜂を甘やかすか・・・という問題はのこりますが(笑)
宜しければ、お試しください!